サンディエゴの老舗工場、ムーンライトグラッシングとは

サンディエゴの老舗工場、ムーンライトグラッシングとは

シェイプを終えたクリステンソン・サーフボードの全ての仕上げ行程を担うのがムーンライトグラッシング。カリフォルニア・サンディエゴで1979年に創業され45年以上も続く老舗中の老舗は、現在もクリステンソンはもちろん、ドナルド・タカヤマやタイラー、マンダラ、ファーローといった一流シェイパーブランドの巻きを手がける業界最高水準のサーフボード・ファクトリーです。そして日本の正規代理店であるキヨモより販売される全てのクリステンソン・サーフボードはこのムーンライトグラッシング製となっています。

 

サーフボードの性能はベースとなるシェイプによって決まりますが、それと同じくらい大切なのが仕上げ、グラッシングと言われています。極端な話し、いくらシェイプが素晴らしくてもその後の仕上げが酷いとそのボードは全く機能しなくなってしまうということも。巻きのグラッシングだけでなく、重さ、しなり、サンディングの際のエッジの立て方、落とし方次第でボードの性能が全く変わってしまうシビアな世界なので、乗るサーフボードにその命を預けるビッグウェイブ・ライダー、世界のトッププロ選手はグラッシングのクオリティは非常に重要だと声を揃えます。

 

 

今の時代、売れることを考えてより安い販売価格を追求すれば、海外に生産拠点を移し、低労働賃金の工場でサーフィンをしたこともない労働者に製作を依頼することも可能です。ただ本場カリフォルニア・サンディエゴで長い歴史と伝統に裏付けされたムーンライトでは、サーフィンのことが分からない奴にサーフボードは作れまい、と高いプライドを持つクラフトマンによって1本1本のサーフボードが手作りによって生み出されています。

 

創業者の一人であるピーター・セイント・ピエールは未だに現役で、エディ優勝で有名なグレッグ・ロングの白黒のレジンパネルやカスタムカルチャーの影響を受けたレジンピンライン、サイケデリックなエアブラシは唯一無二のアートピースと言えます。また彼の技術を受け継ぎ、サンディエゴのトップグラッサーの一人でレジンの魔術師との称号を持つナイノア・スピアーやアーティストとしても活躍するミッチ・キング、レジェンド・ファクトリーマンのジェダイジャックなどがスタッフとしてムーンライトの歴史に名を連ねます。

 

 

サーフボードは見た目の美しさだけでなく、機能と性能も両立したワンオフのアートピースです。皆さんもクリステンソン・サーフボードをチェックする際は、本場メイド・イン・カリフォルニアのそんな背景にも思いを馳せてみて下さい。

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